#tc18 ストーリーを作成する際の考え方について – Tableau Conference 2018 at New Orleans
最初に
本エントリーでは、2018年10月23日に実施されたTableau Conference@ニューオーリンズにて実施された「Telling tales with data at The Wellcome Sanger Institute」というセッションの内容についてご紹介します。 目次は下記の通りです。
1.セッション概要
本セッションの概要は、下記の通りです。 主に、「ストーリーを作成するメリット、作成する際の考え方」に関するセッションでした。
<レベル> Intermediate
<セッション概要> Do you want to create more engaging dashboards? Do you want your users to be moved by the data? Do you want people to remember key facts and information? Do you want to hear the tragic tale of a turkey vulture named Morongo? Then you need to know how to tell tales with data. When people think of data stories they tend to think of multiples vizzes embedded in a long webpage, but any dashboard can be improved using storytelling techniques. You'll learn, amongst other things: - Structuring stories - Identifying plots and characters in your data _ Applying the narrative arc - Adding drama with title and layout -Turning a dashboard into a story with story points
2.ストーリーとは
セッション内容の報告をする前に、一回「ストーリー」についてご紹介しておきます。
Tableauでは、まず「ダッシュボード」を作成します。 下記のように「1枚のダッシュボードに、知りたいことをまとめてわかりやすく表示すること」を最初の目的とすることが多いでしょう。 本エントリーでは、このように1枚のダッシュボードで分析結果を可視化したものを「Viz」と称します。
一方、ストーリーとは「複数のダッシュボードを順序立てて繋げる」ことで、「分析内容に物語性を持たせる」、「なぜそのような分析をしたのかの背景を提供する」、「決定と結果の関連を示す」ことができるものです。
Tableauでの「ストーリー」の作成方法についてはこちらをご参照ください。
3.ストーリーにすると何が嬉しいのか
ストーリーとVizではそもそも「伝えられることが異なる」ようです。
例えば、Rudyard Kiplingさんは下記のように主張しています。
また、TableauのバイスプレジデントであるEllie Fieldsさんは下記のように主張しています。
2人の主張をまとめると、ストーリーにすると、「原因が理解でき、記憶にも残りやすい」ということでしょうか。 また、ストーリーとVizではそもそも「伝えられることが異なる」点にも注意が必要です。
また、スライドには出ていませんが、「Vizの使い時」について登壇者の方曰く、「探索的にデータを見ていく際に利用するのが良い」とのことでした。
4.ストーリーを作成する際の方針
Vizとストーリーの違いについて把握したところで、「ストーリー作成の方針」についての報告となりました。 基本はこの三角形を左から右にいくようにストーリーを仕立てるといい、とのことでした。
まずは物事の「全体感を捉える」ことを目的としたダッシュボードを作成し、その後に何らかのactionに結びつくようなダッシュボード、そしてそのactionの結果を可視化するダッシュボード、という一連の流れに基づいてストーリーを作成するのが良さそうです。
5.結論
本セッションの最後ではMike Cisnerosさんのツイートを引用して、分析、デザイン、ストーリーテリングの役割の違いを説明していました。
ざっくり日本語訳するとこんな感じになります。
分析:何かを見つける デザイン:発見したものを明瞭な形にする ストーリーテリング:なぜそれが起きたかを提示する
Tableauでダッシュボードやストーリーを作成する際は、上記の3工程を分けて作業を進めると、問題の切り分けがシンプルになっていいのかもしれません。
6.まとめ
Tableauによる分析結果を「ストーリー」として表現することはかなり有用です。 何かしらの分析作業時には、必ず何らかの思考の流れが発生していて、それをわかりやすい形で表現する必要があるからです。
ただ、ストーリーを作成するためには色々なやリ方&考え方があり、更に状況によってベストプラクティスが変わるので「色々な事例&考え方に触れて知見を貯めておくこと」が一番手っ取り早いと思います。 そのような意味で、今回のセッションの内容も、もしよかったらどなたかの頭の片隅に入れば幸いです。